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レポート・Report


カイロプラクティック論


予防医学の推進

現在私達の国日本では少子高齢化社会が進み、その中で老人の割合が人口の2割、実に5人に1人がお年寄で、 世界トップクラスの長寿の国となった。しかしながら喜ぶべき現象ばかりではなく多くの間題を抱えているのも事実で、「寝たきり老人」、「認知症の増加」、 「個人の尊厳を無視した延命処置」等などをあげることができる。

願わくば、「豊かで元気な健康生活と自然死の迎え」が最も大切なことであり、我々の望むべきことでもある。 その解決の道への第一歩は、予防医学の推進であると考えられる。しかし、現代医学は治療優先であるため自覚症状があって はじめて病院を訪れるケースが圧倒的に多く、症状を自覚した時点では病状はかなり進んでいることもある。

では"健康で長生きする秘訣"、そのkey(鍵) がこれから述べるカイロラクティックに深く関わっている。




自然界と身体のリズム

自然界と身体のリズム 病気は突然起るように思われがちだが、実際はどんな病気にも原因があり、 その原因を取り除くことが最高の治療 となることは疑いの余地がない。では病気の原因とはどんなものなのだろうか。

 伝染病、感染・公害病等は体の外に原因を求められるが、 注目すべきは、同じ環境 (仕事、食生活など)においては、
病気にかかり易い人と健康な人がいることだ。 またケガをしても治りの早い人と、なかなか治らない人がいるのも年齢や個人差だけでは説明のつかない問題であろう。 病気をひき起す原因には多くの分類があるが、 総じて体の機能が正常に働いていないといことに集約される。

さて、人間は脳からの伝達によって支配され、脳からの指令が脊髄神経を通して各臓器組織に伝えられることは周知されている。 カイロプラ クティック論では、脊髄のどこかに異常があれば脳からの伝達が阻害され、 その異常が病気にかかり易い原因をつくり出す、それは即ち 自然界のリズムと自分の体のリズムがあわなくなり不健康ない状態(dis-ease)」になると説く。






仙骨と頸椎のアジャストメント

カイロプラクテイックは、 体のバラ ンスを保ち、正常な生命活動を高める脳と脊髄を治療の対象とするもので
アメリカのD・D・ パーマ一により提唱された医学である。彼はろう唖者の召使いの脊椎をアジャスメント(治療)することにより、 完治したことから脊椎のサブラクセイション (神経圧迫) が多くの疾病をひきおこすことに注目したのである。
その後アメリカで研究がすすめられ、現在では多くの大学で専門科が設立されている。

カイロプラクティックの真髄は「生命とは何か」を PhysicaI(身体を通して) に表現することにある。創始者は「科学」「芸術」「哲学」であると説いている。
「生命」を哲学的に表現するならば多くの見解が出されるが 究極は、Unjversal Intelligence (大宇宙の英知) に到達するはずである。

我々の身体は大宇宙の英知によって産み出された産物で 脳の命令に (支配) されている。それは即ち Uni-versal Intelligence と Innate IntelIigenceの調和が100%の健康であると説く。
その調和の乱れが疾病をひきおこし易いと考え、乱れをぴきおこす原因がサブラ クセイ ションにあると説いたのが D・D ・パーマ一だが、 多くの症例を通して考えてみる時、サブラクセイションも又、人間にとって必要があっておこる場合があることが証明されてきたのである。

即ち、homeostasis (生命の恒常性) という言葉に代表される数々の現象があげられ、その場合サブラクセイションが体を守ると考えられ、 もう一歩おし進めるならばサブラクセイションをひきおこした本当の原因は何なのかということなのだ。そして 多くの場合サブラクセイションは、その人の最も弱い部分におこり易く、それをひきおこす根本がほとんどの場合、仙骨(Sacrum)と 頸椎(Cervical)に存在することがわかってきたのだ。

仙骨(Sacrum)は、骨盤(PelVis)の中心で脊椎(Spine)の基底(base)である。
仙骨(Sacrum)のサブラクセイションは、骨盤(Pelvjs) 及び脊椎(Spine)ひいては骨盤腔内のねじれをもひきおこす。
そこで生命の恒常性を保とうとするならば、仙骨(Sacrum)及び頸椎(Cervical)のサブラクセィションが他の脊椎(Spine)のサブラクセィションを ひきおこすのだ。

換言するならば「白血球の喰作用と働き」が似ているといえる。
しかしながら、人間には個人差があるため、サブラクセイションが存在しても症状が出る人と出ない人があるのも事実で不顕性感染 (感染しても発病しない)の場合と同様なのである。

これは個人の持つ先天性理知の大小にかかわっていると説明できる。結論として、 根本である仙骨(Sacrum) 及び 頸椎(Cervical) のアジャストメントは、人それぞれが持つ自己治癒力を高め健康の回復を促すといえよう。




神経を正常に働かせる

現在 医学は長足の進歩を遂げている。ところが一方では、薬の副作用等により「どこへ行っても治らない状態」をひきおこしている のも現実の問題である。 すべての検査データ一に異常がみられなくも疾病に悩む患者があまりにも多い。
残念だが現代医学は、 仙骨(PeIvis) と頸椎(Spine) の意義を置いて発達してしまっただ。その忘れられた存在の中に大きな価値が含まれていたことに早くめざめてほしいものである。

「生命とは何か」をもう一度問い直し医療を基礎から考える時期の到来を願う。

正しい時期に、正しい場所で、 正しいアジャストメントを受ける時、「健康で豊かな生活」が約束される。
脊椎が曲っていても正常に神経が働いている人もあり、脊椎がまっすぐでも異常な人もいる。

カイ ロプラクティックは、骨の矯正 (曲っている脊椎をまっすぐにする) ではなく、 神経を正常に働かせること (アジャストメント) が目的なのである。


変 位

赤ちゃんの仙骨をレントゲンで見てみると、横に五つに分離しているのが確認できる。
そして身体の成長につれて少しずつ融合が進み、大人になると完全に形成され、次に数字の8の字のようにうねるような微細な動きをするようになる。 (左下図・仙骨の変位)

変位の原因
仙骨が変位する原因は「外傷的原因」と「精神的原因」の二つに分けられる。

◆外傷的原因
幼年時の外傷 : 幼児期はまだ仙骨が十分に固まっていないため腰などを強く打ってしまうと変位しやすい。
日常の姿勢 : 長い間の習慣で癖になった悪い姿勢で変位することがある。
不摂生からくる内臓不調 : 暴飲暴食や不規則な生活による内臓の不調。
運動不足 : 継続的な運動、適度な運動は人体にとって必要なことである。

◆精神的原因
様々な心の問題や精神的ストレスは外傷的原因以上に仙骨の変位を引き起こす。
ストレスからくる身体の変調、初期のうつ病あるいは認知症は、浮き・沈みの変位が顕著に現れる




仙骨の変位

足の長短により変位を診断する

大腰筋のアジャストメント


蝶形骨とホルモンのバランス

人間には、プラスチックやセラミックなどの人工物で代用できない骨が二つある。それが「蝶形骨(頭蓋骨を構成している骨のひとつ)」と「仙骨」で、二つの骨を繋いでいるのが脊椎である。

 蝶形骨を簡単に説明すると、全身のホルモンのバランスをつかさどっている器官(脳下垂体)がぶら下がっている骨で、それは、蝶形骨がホルモンのバランスにも密接に関わっていることを意味する。

 この「 蝶形骨− 脊椎 − 仙骨」の関係をわかりやすくたとえると「皿回し」のような関係である。

曲芸師の手元(仙骨)が正しく動いているときはお皿(蝶形骨)も正常な状態なのだが、 その動きに歪みが生じるとホルモンのバランスの崩れにつながるのである。


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