令和4年12月25日(曇り)川尻武道場
基本突きー膝頭―受け手-棒練。基本上中下-基本四形。杖;縦霞と横霞の解説。基形三形。トンファー打ち込み。
形意五形。組棒Ⅰ;連打ち。 見立て;リュウシャン-クーサンクー。サンチン-結 テンショー。
【令4稽古納め】
技の修得(習得)は“牛歩の如く”をつくづく思い知らされ、では、身につくための効果的な練習法は何か?を稽古の都度考えさせられた1年でした。
空手の練習の中で“型(形)稽古なんて意味が無い”あるいは“ガチンコ(ぶっぱたたき合い)組手こそが空手”等などの言葉を聞くことがよくあります。
私は、それらは競技試合偏重が生み出した現代空手の姿を物語るモノと理解し、肯定も否定もすることはありません。強いて言えば興味がないのです。
私は、我が道を行く、で、来年からも実戦を想定し、理のあるそして緊張感を持った相対稽古の実践を目指していきたいと思っています。

12月18日(曇り時々雪)
棒運動-相対棍;受け流し-巻き流し斬り。基本四形;前進と後退歩-左右受け+四方受け歩。
リューシャン;動作と武具(サイなど)とのつながり解説。 サンチン-ナイハンチ・ニーセイシ・周氏の棍。
【初雪と入り】
短い秋から冬の到来となった途端雪がきて早々の寒稽古となりました。寒さで縮まった身体に温もりとほぐしをかけていくには棒運動からぶつかり稽古を
“入り(導入/前稽古)”とするのがいいのですが、今日は足さばき(足運び)を入れ、とにかく動く!を“入り”としました。
冬の稽古は始まったばかりですが、この冬はかなり寒いという予報も出ているので“良い入り”を選択して、
温もった身体を保持しながらの稽古ができるよう氣を配っていきたいと思っています。

11日(晴)
棒運動。継足と踏み換え歩法。杖;右(左)常の構え-回し打ち-左脇構え-左(右)常の構え-縦霞-回し打ち。
クーサンクー;練習ポイント・内功(内に引き込む)の解説。 リューシャン-周氏の棍。
変手28法⑧砲拳の掛け合い。サンチン-クーサンクー小。
【レベルを上げる】
継続は力とか…反復練習の大事さ…などなどは、芸事を習う人達には耳にタコができるほど繰り返し聞く言葉です。
しかし同じことをただ漫然と繰り返しての練習では、いつまでたっても「1+1=2」なのです。 例えば空手のその場突きですが、1.2.3.4.……の号令で突出しを10年間続けても、
それは腕力での突き手技に終始し、中身は一緒なのです(経験から言えることです)。
ですから突きの練習に“突きの意識を無くして打て”と言われても???となり“この人何を言っているんだ…”となってしまいます。
何を言いたいかと言えば、継続あるいは反復の中に己が考えるアイデアの吹き込みがあってこそ、そこに変化が生まれそして技(技法)のレベルの向上が成されていくということです。

11月20日(晴)
棒運動。ナイハンチ-周氏の棍_3連。変手28法①~⑦左右。ソーチン-トンファー課題。 セイサン-ヌンチャク課題。
サンチン-結 テンショー。
【友遠方より来る】
埼玉越谷道場の山内師範が来熊し稽古に参加してくれました。仕事に追われる中2日間の休みをとり、ほとんどトンボ返りの状態でしたが、
空手談議そして稽古に汗を流し有意義な時間を過ごすことができました。
“たかが空手、されど空手”とは度々口にする言葉ですが、共通の価値観を共有し人生を歩む同志の存在に感謝です。

13日(曇り時々小雨
基組の棍-組棒Ⅰ;技の留意点の解説と通し。サンシール;縦酔歩からの掌底打ち(張り手)― 脱力からの肘回し。
サンチン-サンシール。
【ほろ酔い】
これは個人的な感覚ですが、日本酒から焼酎に変えてからほろ酔いの気分がめっきり減りました。私のほろ酔いは、とても気分よく酔っぱらい、少し千鳥足気味の状態を言います。
その時は、肩の力がすっかり抜けて身体の力みが無くなっていることを自覚できます。その事から、そこへ誘ってくれるサンシールは、私にとってとても貴重な形になっています。
現千唐流の指導者からは、そんな姿態(動作)に批判を向けますが、私は、形のあり方を俯瞰し、形意(形は生き物)の考えを持つのでほとんど気にすることはありません。
“若くして武を学べば武に徹することができ、老いては武を楽しむことができる”、とは古流唐手の格言ですが、そんな心境に近づいていきたいものです。

10月30日(晴)
基形三形。手刀;手のあずけと打ち-サイで打つ。ローハイ-羽の手をヌンチャクで動作する。風車の構の手合わせ。
流雲の構の入り動作合わせ。サンチン-ナイハンチ。
【盲目】
時として伝統を、先人が遺したカタチを寸分違わず(コピー)に動作する、と解釈し、そこから外れるとガァーガァーとガナグリ立てるケースを見ることがあります。
私も例外なくそれで異端児あつかいされ、今でも続いています。私はそんな変化を嫌う伝統に執着する事を盲目的追従と言って無視しています。
その延長線上にあるとは言い切れませんが、現代空手(競技空手)も何かしら同じような匂いを感じています。
今日の武器術の稽古は、そんな事象に対する反駁でもあるのです。

16日(晴)
基本上中下-かぶせ・通し・落としの打ち手での練り。
杖;回し上段・袈裟Br・下段打ちと練りの意識掛け。風車の構;技動作の合わせ。
ソーチンとトンファーの十字交叉と左右打ち。風車の棍と組打ちの合わせ。サンチン-ニ-セイシ。
【反復】
芸事、習い事においては同じことを何回も何回も反復して身につけていく事を重視します。 するといつの間にかにパターン化
(型化)されたマニュアル(手引き)ができて、それを毎回繰り返すようになり、 やがてロボット化していきます。
何を言いたいかというと技(スキル)の本質を知らずしての盲目的な反復はダメという事です。
私が反復するのはサンチンです。なぜならば空手の全てがサンチンに凝縮されいることが分かっているからです。

9日(曇)
棒運動-袈裟と水平打ち。チントー;十字交叉手の分解と解説及びトンファーの操作。ソーチン;角構えのトンファー操作。
組打流雲の構;技群の確認。サンチン-ナイハンチ。
【素地】
龍手秋季号の内容についていろいろと話をしながら、あらためて自分が修業する空手の良さを考えさせられました。
それは古流唐手には剣術と相撲というしっかりとした素地(学問や芸事などの基礎)があるということです。
だからこそ、流行(スポーツ空手・興行空手)に臆することなく柔軟性と広い視野を持って、伝統空手の素晴らしさに感謝をしながら稽古ができるのです。

9月25日(晴)
棒運動。シメの形;はじき手-ねばり手とまとわり手。組打流雲の構~風車の棍-風車の構の創作研究。
サンチン-ナイハンチ・首里セイサン。
【磁界】
両手を一尺ほど離した状態で立禅に入ると、やがて左右の手間にふわふわしたエネルギーのふくらみを感じとれるようになります。そこからさらに続けていると…………。
これを気(生命)のボールとも言いますが、磁石のN極とN極を近づけると反発し、S極とN極を近づけると引き付けあう現象の磁界に重ねると面白い仮説理論を作ることができます。
それは下丹田の表裏で作る練り(内攻法)が、はじき手とねばり手・まとわり手の技法に表裏一体となって変化(へんげ)するという未知なる丹田論です。

11日(晴)
棒運動-基形三形。組棒Ⅱ・漕ぎ打ち;脇寄せ、持ち手、足の運び。組打構・流雲の取り組み解説。
靖国奉納演武の準備練習。サンチン-結 テンショー。
【流雲】
腰の手-斜め差し上げの手、これは相撲の仕切り動作からきた姿勢で、我が流派で使われる独特な構えです。
これは儀式四方拝の四方割に出てくるだけで、これまでほとんど着目することはありませんでした。ですが今回、ふとしたことから組打構の創作を思いついた時、
入りと収めに使ったら面白いのでは?となったのです。
「流雲」の名前は直感から出たのですが、深層意識にあった「行雲流水」や「温故知新」の言葉が閃きをもたらした…、
と思っています。
8月28日(晴)
棒運動。バッサイ;三日月表・裏蹴り‐猿臂‐髷取りの一連動作と対短刀への応用動作。 靖国奉納演武の準備練習。
サンチン。
【論より証拠】
空手の身体操作を相撲の技に重ねるといろいろと見えてくる技(技法)があり興味がでます。エンピ(回し)とかち上げがその一つです。 かち上げは、横綱白鵬を快く思わない人達によって悪い印象を植え付けられた技ですが、とんでもないことです。
表三日月蹴りからの猿臂打ちの練習をして分かるように、とにかく腰―上体の丸めしぼりから中丹田に乗せて放つ身体の操作とエンピの威力を体感することから始まるのです。

21日(晴)
基本四形-基形三形。セイサン;解説10構の創作に踏み出す。靖国奉納演武の準備練習。
短吞吐サンチン。
【解説構】
形ニーセイシが持つ技の11の解説を解説構(変手構)と言います。この解説構は古流唐手の基形でもあるニーセイシのみにあるもので、
他の形は「技の分解」として技の解説をするだけで「構」は持ちません。今回セイサンの解説構の創作を思い立ったのは、
セイサンの形と形の技群が持つ特異性を引き出し、そして、ニーセイシと共に基形としての存在意義を高めるためです。なお、
ナイハンチに関しては腰操作に力点が置かれている形なので解説構は考えていません。
7月31日(曇り)
ニーセイシ;手刀七変化を確認する。靖国奉納演武の準備練習。サンチン。
【熱中症】
体調を崩し病み上がりの状態で稽古にのぞんだが、サンチンを終えた時点で身体のふらつきが一気に襲ってきた。
幸いシャワーが使える状態に戻っていたので、すぐに冷水を浴び何とか難を逃れることだができました。
熱中症はずっと以前の記憶にしか残っていないのですが、嫌なめまいと吐き気に戸惑っている自分がいました。
油断大敵、健康に過信するべからず、を言い聞かせた次第です。
17日(小雨)
ナイハンチ;直突きと左右受けの考察。靖国奉納演武の準備練習。サンチン。
【直突き】
体軸正中線の前に合掌手を作り右(左)手を真っ直ぐに前方へ差し出す、あるいは、杖を右(左)常構えから前手(後手)で突き出す練習が直突きです。
その直突きから身体を半身(90°)になりながら一方の手を引いていくと弓を射る姿勢に変化します。
又、その直突きから身体を半身(90°)になりながら前手をさらに前に突き出ししていけば銃格の打突の姿勢に変化します。
この直突きから手首の内外旋が受け手となり、その技が螺旋を伴う古流の受け手に変化していくのです。
私は、手(空手)の特徴は直突きに有る、と考えます。

10日(晴)
ニーセイシ;身体の叩き、双手の差し出し{表-裏下丹田への内氣旋転と裏からの発し、 循環呼吸を使う〕、練りを使う打撃。
靖国奉納演武の順と内容の確認。短吞吐サンチン。
【安倍元首相の暗殺】
安倍元首相銃撃される!との一報を聞いた時は驚きと悔しさがこみあげました。そして現場の状況映像を見ているうちにそれは怒りに変わりました。 その理由は二つ、①要人警護の基本中の基本である背後への警戒が全く無い事で、あれでは“どうぞ撃ってください”と実行犯(複数犯)を手招き!したと確信する。
②日頃警備訓練をしているSPや警察官の誰一人として安倍氏をガードするアクションを起こさなかった。①②に加え、平場での演説行動も異様なのに(それも日程を変更しての)、
加えて杜撰な警備体制・対応は、明らかに安倍氏を殺害するための計画的な犯行、と一介の空手修業者でも推理できる。
安倍氏は警備を信頼したからこそ、 身体を伏せる防御姿勢をと取らずに立ったままの状態で振り返りそして手製という拳銃
(?)で被弾してしまった。 アメリカの第35代大統領ジョン F. ケネディが暗殺され、その事件の真実が闇に葬られたが、
それと同様な事が我が日本でも繰り返されるのかと思うとやりきれない気持ちに陥いる。

6月26日(晴)
杖;追い小走り切り-突き-返し打ちでの立体腰(XYZ軸)。押し突きの入り身。 首里セイサン;裏拳鎚の放ち方。
変手⑲⑳の手法とまとわり。銃格;小手打ち打突。 サンチン-ニーセイシ。
【拍子(ひょうし)】
拍子とは〔音楽・歌・舞などで〕手を打ったり掛け声を出したりして、音曲の調子を整える(に合わせる)こと、と定義されます。
身体の動作で言えば手拍子や足拍子が分かりやすいと思います。空手では体の半転・輪転(変換や転回)、運足時に必ず行うのがこの拍子で、
踏み足・踏み換えでの足の拍子、あるいは、受け手・添え手での手の打ち・身体打ちが拍子で、いろいろな技(技法)の繰り出しには切り離せない裏方(隠れ)の役目を果たしています。

19日(曇)
基本四形。首里サイサン;裏拳打ち込みからの縦歩の腰操作-掬い受け手。エアー棒;周氏の棍-組打ちの棍。
変手⑱⑲;波返しと小股すくい-影突きと裏膝頭。サンチン-ナイハンチ。
【縦と横】
ナイハンチとセイサン、サンシールとウーセイシは縦と横の関係と言えます。それは前者が横歩と縦歩そして後者が縦酔歩と横酔歩で、 腰の独特の操作(しめ-抜き-沈み-逃がし)と千鳥足歩法を学ぶ楽しさ内在しているということです。
さらに言えば、両者はX軸とY軸であり、 そこにZ軸が立ち上げることによって立体観が感じ取れていくのです。
5日(雨)
棍の基振り-周氏の棍-ナイハンチ-首里セイサン。変手⑭~⑰の体転法;密着するようにまとわりついていく。
組打ちの棍-組棒Ⅱ②③④。サンチン-結 テンショー。
【軸】
体軸・正中線の保持は、技を出しそしてかける上での大切な要素であり、武道を修業する者であれば誰もが周知しています。
私の場合、もう一つ大切にしている事が、 伝統あるいは系譜を継承していく上での軸線です。それは古流唐手継承の線で、
常に、そこから外れていないか?ぶれていないか?を、基礎運動あるいは稽古を通じて気を付けていることです。
千歳翁先生は私に“アンテナ線を買っておけ!”と言って天国に昇られていきました。 今、その意味は、“方向を見失わないよう常にアンテナを張っておけ”というシグナルだったのだ、と理解できるようになっています。
見えない霊的な世界の存在の話です。
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