古流唐手トップ

古流唐手ホーム

四方山部屋


佐賀黒髪山


私の稽古場は、家の近くに小高くそびえる龍田山(152m)です。大東亜戦争前は、 うっそうとした森林の山だったことから
「黒髪山」と呼ばれていました。今回の四方山話はその「黒髪山」です。

私は時々佐世保に行きますが、佐賀の武雄・有田市を通る道すがら目にするのが、急峻な岩肌を見せつけ“遊びにこんかい!”と呼びかけてくる黒髪山です。かつては黒髪山の名前が付けられていた龍田山に馴染む私は、以前からその誇らしげにそびえる山に興味を抱いていました。しかし、ただ眺めて通り過ぎるだけで何故か足が向きませんでした。ところがある日ネットで、その黒髪山登山の出発点の一つに「龍門」の名前があるのを見付け、これは面白いと直感したのです。
何故ならば、「龍精」の「龍」つながりはもちろんなのですが、熊本の北部菊池市に同じ「龍門」の地名があり、 そこは私のお気に入りの場所だからなのです。

熊本菊池市の龍門

龍門ダムを包む澄み切った冷気の中、青牧山の連山を見ながら道の駅・黒髪の里の海苔弁に舌鼓を打ち、 いよいよ登山の開始です。最初に目指すのは見返り峠。龍門渓谷を流れる水のせせらぎの音を聞きながら、山岳信仰を物語る大小の祠、 樹齢数百年と思われる多くの大木が茂った森そして水汲みのグループ、下山してくる人達と挨拶を交わしながら山道を進み第一ポイントに到着、一休み。

次は黒髪山の頂上を目指します。次第に視界が開け乳待坊、雌岩雄岩の岩山の絶景が見えてくる。しばし立ち止まりその光景に息を飲む。 だがハイキング気分はそこまで。少し進むと目の前に斜度35度以上の崖のような急峻な登り道が待ち構える。 危険個所には登りロープが有りそれに掴まりながら一歩一歩上に進む、これが山登り。
天童岩に着く。もう頂上は間近と思いきや、 そこからが鎖を伝うロッククライミングの気分を味わう絶壁を登ることになる、
もう必死…、大分国東半島の修験者道を歩いた時のことを思い出す。
登り始めて1時間半、足をすくませながらもようやく頂上へ、岩陰には残雪があった。

乳待坊岩

雌岩雄岩

下山。“行きは良いよい、帰りはこわい”ではないが、膝の調子が△の私には下りの方がきついのです。 なので、なるべく木に手をかける、後ろ向きになる等などの体勢をとって直接膝に負担がかからないようにして下ります。ルートは蛇焼山→鬼の岩屋→龍門。 そこでびっくりしたのは鬼の岩屋と呼ばれる巨石。3年前佐賀市の金敷城山に点在する巨石群を見て回った時もそうですが、 山の中腹に誰がどのようにして何のために構築したのでしょうか?自然の造形物と言われていますが、私は人工物と信じています。 なぜならば、そのほうが太古の人々との意識のつながりというロマンを持てるからです。
(この話題は別の機会にレポートしたいと思います)

今回は久しぶりに自然とのふれあいが堪能できました。次は別のルート、あるいは他の山になるかはわかりませんが、膝の調子を整えて再チャレンジしたいと思います。



   

上に戻る

四方山部屋